昇平てくてく日記4

高校編

てくてく日記・201「就労移行支援」

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晴れて青空の日が多かった(撮影:昇平)

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5/25(月)〜5/31(日)

月:フリースクール
火:障害者職業センター相談
水:フリースクール休み・チャレンジデー
木:フリースクール
金:フリースクール
土:休日
日:休日

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6/1(月)〜6/7(日)

月:フリースクール
火:フリースクール
水:就労支援サービス申し込み
木:フリースクール
金:定期診察、フリースクール
土:休日
日:休日・散髪

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6/8(月)〜6/9(火)

月:就労移行支援事業所見学
火:フリースクール・計画作成

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 昇平の就労関係でさまざまな動きがあったので、方向性が定まるまで日記の更新を控えていました。半月ぶりのてくてく日記です。

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 これまで昇平の就労支援のために障害者職業センターを利用することにしていて、5月26日にセンターを訪問して担当カウンセラーのYさん(男性)と相談をしたのだが、障害者職業センターの訓練期間は3ヶ月間、今の昇平にはもっと長い期間の訓練が必要だろう、という結論に至り、就労移行支援の利用を勧められた。

 実を言うと私自身も、昇平がたった3ヶ月の訓練で就活することにとても不安を感じていた。手術で入院していた間、ずっと昇平を見ていたのだけれど、「社会性の成長は大きいけれど、まだまだ社会に出て行くには時期尚早」と私の目にも見えていた。
 もう少し猶予が欲しい。他のお子さんたちだって、高校卒業して就職する人は少なくて、みんな大学や短大、専門学校などの上の学校で学んでから社会に出る。昇平にもそういう「学び」の期間が欲しいけれど、必要なのは一般的な学習ではなく、社会性と社会人として役に立つ能力を伸ばしてくれる場所。それがどこにあるのかわからない。実際にあるのかどうかも、よくわからない。
 だったら、まず動いてみよう。障害者職業センターに相談に行けば、その手の知識もたくさん集まっているはずだから、何か情報が手に入るかもしれない。そんな気持ちからの相談だった。

 ここまで私たちは、障害者の就労のためのシステムをほとんど知らずに来た。
 特別支援学校(養護学校)に行っていれば、そのあたりの情報も学校から保護者に伝えられるけれど、それ以外の場所で学んできた場合、就労継続支援A型事業所とB型事業所の違いさえよくわからなかった。まして、就労移行支援というものがあることも、ここまでまったく知らなかった。
「就労移行支援は一般就職をめざすための訓練サービスです。期間は2年間限定。○○というところで支援事業を行っている事業所を紹介してもらって、見学・体験の上、利用するといいですよ」
 そんなふうにYさんから教えられて、「本当にそういう場所があったんですか!」という気持ちだった。

 ところが、この5月にちょうど、就労移行支援のための制度が完全に変わったばかりだったようで、ちょっとした混乱の末、結局、市の福祉課障がい福祉係を窓口に支援サービスを申し込めば良い、ということがわかった。ちょうど高齢者の介護サービスを受けるようなもので、ケアマネージャーに当たる相談支援専門員という方をお願いして、ケアプランならぬ「サービス等利用計画」というものを立て、その上で就労移行支援を行っている事業所を利用するのだという。
 実は、私はこれにもちょっと感激。以前から高齢者の介護サービスを見ていて、「こういうサービスが発達障害児・者にもあればいいのに」と考えてきたから。就労限定だけれど、ケアマネやケアプラン的なものが存在するとわかって、また心強く感じた。

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 余談を言うと、実際にはこの制度変更に喜ぶ人より不安を感じる人のほうが多いらしい。
 これまで、支援学校を卒業したお子さんは、一般就職しなければA型事業所やB型事業所にストレートに入れたのだけれど、制度変更になったので、必ずまず就労移行支援から始めて、その後、本人の状態や進歩の状況などを見ながら、A型やB型の事業所に移っていくことになったのだという。
 私たちは、「例え最終的にA型やB型の事業所になったとしても、まずは一般就労の訓練を受けてみてから」という気持ちでいるから、新しい制度がぴったりなのだけれど、「今までと違う」「すぐに事業所に入れないんですか?」というクレームは多いようで、関係者の皆さんが申し訳なさそうだったり慎重な説明をしたりするのが、とても印象的だった。ご苦労様です。

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 というわけで、6月3日に市に障がい福祉係の地域担当のYさん(こちらのYさんは若くて綺麗な女性)に家に来ていただいて、支援サービスの申し込み。利用したい事業所やケアマネに当たる相談支援専門員も選んで問い合わせてもらい、OKが出たので、6月8日に事業所の見学に行ってきた。
 説明を聞き、施設も見せてもらって、昇平はとても前向き。彼が一番心配していたのは、自分が社会で働けるかどうか、そのためのやり方をちゃんと教えてもらえるかどうかだったので、実際にそういう場所に行けそうだというので、精神的にもとても安定して積極的になっていた。
 この日記を書いているのは9日だけれど、今日の夕方には相談支援専門員の方が来て、契約を結んで利用計画作成をしてもらうことになっている。
 事業所に行き始めるのは来週の月曜日から。3日間体験を受けて、大丈夫そうなら木曜日から正式に利用を始める。福島駅から歩いて3分という絶好の場所だし、昇平は福島駅前の高校に4年間通ったので、ここに通うのも何も心配がない。

 他にも、就労移行支援についていろいろ報告したいことはあるのだけれど、週に一度の日記ではとても書ききれない。
 昇平は再来月で20歳になるし、20歳を節目にてくてく日記を終わらせようと思っていたのだけれど、「就労」というテーマに関心を持つ人は多いので、もう少しだけてくてく日記を続けるのは意義があるかもしれない。
 この「てくてく日記4・高校編」は次回202回目で終了にして、その次からは「てくてく日記5・就労編」を始めようかな、と考えている。

 正式には、次回のてくてく日記または療育掲示板でお知らせします。


(2015.6.9記)

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☆昇平のブログ→ 「826番ココログ」
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[15/06/09(火) 14:56] てくてく日記

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