昇平てくてく日記

幼児〜小学校低学年編

遊ぶ

◎11月25日の記録

 リタリン  1回目 9:00  2回目 12:30
 デパケン  1回目 9:00  2回目 21:00

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日曜日。4週間ぶりに旦那は休日。お兄ちゃんもバレーの練習がお休み。
本当にほんとうに久しぶりに、家族四人そろっての休日となった。

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ここしばらく状態の良かった昇平が、この日は朝から妙に落ちつきがない。
いつも通りリタリンを飲んでいるにもかかわらず、次々とおもちゃを引っぱり出してきたり、紙を切り刻んでは何かを作ったり、母にあれこれ用事を言ってきたり、「クレヨンしんちゃん」のビデオを見たがったり。
・・・最近、昇平の「しんちゃん熱」がかなり激しくなって、普通の遊びよりもビデオを見ていることの方が多くなってきていたので、日曜日くらいは、とビデオ制限令を出していたのだ。
ところが、今アニメのビデオにはまっているのはお兄ちゃんも同じ。暇を持て余して「『しんちゃん』がダメなら『ドラえもん』はいいでしょう?」なんて言いながら、ビデオをかけていた。昇平もわきでそれを見ている。
あのね〜。たまの日曜日くらい、ビデオなんか見ていないで外に行こうよ。
空は青空。暖かくて、とても良い天気だよ。

旦那は・・・というと、朝食の後こたつでごろ寝、熟睡中。
仕事が続いた後だから、ほっとして眠くなっているのは分かるけど、朝寝坊もしたことだし、ここはあえて起きてもらって、皆で外出することにした。
町の美術館で展示中の、保育園の油絵展を眺め、その後スーパーへ買い物に。
昇平が描いたカービィの油絵は、伸びやかでとても明るかった。
他の子どもたちも、油絵の具を混色することなく使っているので、どの絵も呆れるくらい鮮やかだけれど、それがいかにも子どもらしくて素敵に見える。
カービィを描いている子は他にも何人かいたけれど、なかには昇平のカービィに影響を受けて、真似して描いた子もいたとかで、そんなエピソードもまた、私たちには嬉しいのだった。
昇平は、家族を自分の絵のところに案内する、ということはなかったけれど、家族みんなが見に行くことには大はしゃぎでいた。
やっぱり家族に見てもらえるのは嬉しいかったんだろう。

その後、スーパーの衣料コーナーに回って、昇平に冬の手袋を選ばせる。自分であれこれ眺めて、緑とクリーム色の縞模様の手袋を選んだが、それが大きすぎたので、同じデザインで青とクリーム色のものに交換した。そうしたら、自分で「これもほしい」と言って、小さなタオルハンカチも選んだ。それが緑とクリーム色のチェック模様。・・・この色合いが気に入っていたんだね。(^^)

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午後、旦那は車のタイヤをスタッドレスに交換。私は窓の網戸を掃除してしまった。
その間、子どもたちはまたビデオ。う〜ん。やっぱり良くないよぉ。
掃除が終わったところで、外遊びに誘ったが、お兄ちゃんは父とガソリンスタンドに行く方を選んでしまった。子どもが大きくなってしまうと、こういうところのノリが悪くなるんだよねぇ。ブツブツ。
昇平と二人で砂遊びをした。
先日、散歩の途中で拾ってきたドングリや落ち葉を使って、ケーキ屋さんごっこ。
でも、昇平は作ることだけに夢中で、食べさせるとか食べるとか、売るとか買うとか、そういったままごと的遊び方にはあまり興味を示さない。母と平行遊びの状態でケーキを作るだけなので、母はそのうちに退屈になってきてしまった。
ああ、洗濯物が乾いているから取り込まなくちゃ。
あっ、保育園の上履きを洗うのを忘れていた。洗わなくちゃ。
お風呂も掃除しなくちゃな〜・・・・・・。
主婦というのは悲しい。
どんなに遊びに熱中しようと思っても、やらなくちゃならない仕事に頭が行ってしまう。
そのたび、「ちょっとごめんね」と言っては昇平のそばを離れた。

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夕方。
夕飯の支度を終えて二階に呼びに言ったら、旦那はお兄ちゃんと碁をやっていた。
最近、お兄ちゃんが碁に熱中していて、めきめき腕を上げているものだから、旦那としても勝負が面白くなってきているのだ。
昇平はどこかな、と思って探したら、隣の部屋で押入から布団を全部落として、布団に埋もれながら「クレヨンしんちゃん」のCDを聴いていた。
部屋中、昇平の出した布団とおもちゃと本の大洪水。
でも、それを怒る気にはならなかった。
遊び相手がいなかったんだよね。退屈だったから、自分で遊びを見つけていたんだよね。

「夕飯の後は今度は昇平と遊んであげてね」
とそっと耳打ちしたら、旦那は頭をかきながら「ご飯が終わったら一緒に遊ぼうね」と昇平に言っていた。
すると昇平、躍り上がって「昇平くん、将棋が得意だよ」と言った。
将棋が得意、と言っても、たんに駒を並べて、少しそれらしく動かせるだけ。勝負なんて呼べるものじゃないのだけれど。
ああ、やっぱり父と碁を打っているお兄ちゃんの姿がうらやましかったんだな、と思って、胸がちょっと痛んだ。

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昇平と一緒に遊ぶのは、なかなか難しい。
協力して遊ぶとか、関わりながら遊ぶと言うことが、まだうまくできないから。
すぐに自分なりのルール、自分なりのやり方の遊びになってしまって、相手はその中に入れなくなってしまう。
はっきり言って、本人がやりたがる遊びは、相手には全然面白くないことが多いのだ。

だけど、だからこそ一緒に遊ぶ必要があるのだろう、と思った。
一緒に遊ぶことを通して、遊び方を身につけていくのだから。
誰かと一緒に遊ばなければ、仲良く楽しく遊ぶやり方なんて、いつまでたっても覚えられない。
何か、良い遊びはないだろうか。
家族全員で楽しめて、昇平にも十分ルールが守れて一緒にできるような、遊び・・・・・・

あった! ジェンガ!!
8センチくらいの長さの細長い木の板を3枚ずつ並べて、交互に積み重ね、それを崩さないように気をつけながら、順番に1本ずつ抜き取ってはまた上に積んでいく。
倒さないように、崩さないように、慎重に板を抜いてはまた上に載せ・・・
誰かが崩してしまったら、そこでゲームセット。

昇平も、このゲームならなんのハンデもなしにできる。
「昇平くん、ジェンガをやろう」
と呼びかけたら
「お母さん、一緒にやろう!」と目を輝かせる。
「うん、お父さんも一緒にやるってよ」というと、もう本当に飛び上がって喜んで「お父さんも!? お兄ちゃ〜ん、お兄ちゃんも一緒にやろうよ〜!!」
声が1オクターブくらい跳ね上がっていた。

家族4人で一緒にゲームをする。
たったそれだけのことで、こんなに大喜びするなんて。
もう、おおいに反省させられてしまった。
忙しい、忙しいと言ってばかりいた私は、本気で昇平の遊び相手をしたことがあっただろうか。
旦那もついつい遊びやすくて楽しいお兄ちゃんばかりを相手にしてはいなかっただろうか。
昇平は、お兄ちゃんのように上手に遊ぶことはできないけれど、それでも、一緒に遊びたい、楽しく遊びたい、という気持ちはちゃんと持っているのに。

ジェンガを始めると、昇平はもう夢中。
順番を守る、というところはまだ弱くて、ついつい順番抜かしをしてしまいそうになるけれど、それ以外は、ちゃんとルールを守って一緒に遊んでいた。自分の時に塔を崩してしまっても、喜んで飛び跳ねて「もう一回やろう!」と言えたし。
いつもならテレビを見ている時間帯のお兄ちゃんも、この時ばかりは、テレビも見ずに一緒に夢中になっていた。
うん。こういうのがいいね。こういう時間も大事だよね。
家族でジェンガをしているときは、昇平もかなり集中していた。
朝から多動だったのは、家族全員が揃っているのが嬉しくて、興奮していたからなのかもしれない。

   ☆★☆★☆

一日中、昇平は、家族と関わることそのものを喜んでいた。
はっきりとことばに出して「遊ぼう」と呼びかけてきたことも数知れず。
だけど、まともに一緒に遊べる遊びがまだまだ少ない。
なにか、家族全員で楽しめるものがもう少しあればなぁ・・・ジェンガの他にも、もう二つ三つくらい。
ルールが単純で、本気で楽しめるもの。
メリハリがはっきりしていて、昇平にも飽きないスパンで勝負がつくもの。
ふ〜む・・・・・・。

なにか、良い遊びはありませんか?

[01/11/26(月) 13:47]

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